矢口高雄の独り言

「追っかけの距離」  更新日時:11/02/01



コメディアンの間寛平さんがマラソンによる「地球一周」に挑んで、つい先日悲願のゴールを果たした。

寛平さんの行為は人類(日本人)にとってどんな意義をもたらすものかは、ボクにはわからない。
しかし、多くの苦難を乗り越え、たった2本の足でひたすら目標に向って走り抜いたということは、
単に意義などという物指しでは測ることの出来ないものだろう。

地球一周は距離にして約4万kmだという。
だが、これは赤道を直線に換算したアバウトな数字であって、地球には広大な海があり、
陸地には山も谷もある。

つまり、一直線に走れる道など、ほとんど無いに等しい。
そんなところを工夫に工夫を重ねてコースを決め走り抜いたわけだから、ある意味人間の忍耐力の
極限に挑んだ挑戦と称讃しても過言ではあるまい。
すごい快挙の一語に尽きる。

ところで、ボクは昨年この「独り言」の欄に「追っかけ」なる一文をアップした。
長野県在住の、ボクの超A級の追っかけ徳永広幸氏ご夫妻の「追っかけ振り」を紹介した。
もちろん徳永夫妻の追っかけはマイカーを使用してのものだったが、その熱心さと回数の
多さに、ただただ脱帽する以外はなかった。

アップし終えてほどなく、ひとつの疑問がわいた。その走行距離は何kmにのぼるのだろう。
少なくとも、一回の追っかけを考えこみても、自宅を出て目的地に着き、ボクと少しの行動を
共にして再び自宅へと帰るわけだから、往復の走行距離はかなりのものになるだろう。

そんな疑問をハガキに書いて送った。追っかけに要した「往復の距離」についてである。
とにかく徳永氏とは長い付き合いである。全てにおいて実に几帳面な御仁だから、
自動車の走行距離も入念にチェックされてるだろうと考えたからだ。

案の定だった。返信はそれほど間を置くこともなく、12月13日に届いた。

一覧表に仕立てられており、一見するやその几帳面さに更に驚いた。
5月5日の「増田町まんが美術館サイン会」に始まり、11月20日の「石ノ森ふるさと記念館トーク&サイン会」
までの合計12回の追っかけで、要した「往復の走行距離」は14462kmだったという。
手紙の末尾に言葉が添えられていた。

「それにしても一年間で14,500kmとは、我ながらよく走ったと感心しています。
ちなみに地球一周は約4万kmだそうですが、もしかしたら私達は既に矢口先生を「追っかけして」、
地球二週目に突入しているのではないでしょうか(笑)。
それでは次回お会いする時まで、先生におかれましては、くれぐれも
お体をお大事にしていただき、ご活躍されますことを心よりお祈りいたします」

ファンはマンガ家にとって神様以上にありがたい存在である。






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