矢口高雄の独り言

「想定外」  更新日時:11/04/11



あの忌まわしい3月11日の大震災から、今日で一ヶ月が過ぎた。

その間ボクはこの「独り言」を一度も更新していない。
書きたいことは沢山あったが、刻々と変わる惨状を見つめるだけで精一杯だった。

地震だけならまだしも、続いて起こった大津波によ被害は未曾有のもので、
多くの人命を巻き込み、数知れぬ行方不明者が続出した。
加えて重大なのは原発事故である。

テレビや新聞に登場した政府関係者や学者たちは、この未曾有の惨事を口を揃えるかのように
「想定外」と評した。
「想定」を広辞苑で引いてみると

− ある一定の状況や条件を仮に想い描くこと −
とある。

つまり「想定外」とは

− 人間が仮描いた想いをはるかに超えて起こった −
ということであり、予想外のことだったということになる。

もともと人間の立てる「想定」や「予想」は、過去のデータに基づいている。
過去のデータから推測して、これ以上は怒るはずがないとの仮定から導き出した「経験値」とも言えるわけで、
起こらないという保証はどこにもない。

3月30日の新聞のコラムだったと記憶するが、実に含蓄に富んだ一文が掲載されたので、
それを紹介しよう。

「起こるはずがないと思いたい災難の多くは、起こり得ないのではなく、
起こるまでに時間がかかるだけのことである」

J・チャイルズ著「最悪の事故が起きるまで人は何をしてきたのか」より・・・・

人間が立てた「想定」には、それが起こるまでの時間が想定されていなかった・・・
ということになるだろう。






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