矢口高雄の独り言

消えた「やなさって」  更新日時:11/06/28



「あした」-「あさって」-「しあさって」

皆さんは日数をかぞえるとき、きっとこんな順番でかぞえているだろう。
これを漢字で表記すれば、「明日」-「明後日」-「明明後日」となる。

しかし、ボクの子供の頃の秋田の村ではこの順番ではなかった。
「あした」-「あさって」-「やなさって」と「しあさって」の間に「やなさって」が入っていた。
村人たちが日常的にこの順番でコミュニケーションをとっていたわけで、
ボクも疑うことなく使い、暮らして来た。

ところが、上京した東京の地には「やなさって」と呼ぶ習慣がないことを知って驚いた。
今から四十年も前のことだ。秋田にはいわゆる東北のズーズー弁の地方である。
だから「やなさって」は何かの語源が訛り、方言化したのではないかと考え、試しに広辞苑を引いてみた。

あった。「やのあさって」!!。

「やのあさって」は「弥の明後日」で、明後日の次の日とあるではないか。
「弥」は弥生(三月)の弥で数字に置き替えれば「三日目の明日」となるだろう。
・・・となると「しあさって」の「し」は「四日目の明日」と解釈できるわけで、
ボクの村での日数のかぞえ方はピタリと符号することになる。

しかし、今日では東京ばかりではなく、ボクの村でも三十代以下の人たちの間からは
「やなさって」の呼び方は消え、「しあさって」になっていると言う。

どんな理由で「やのあさって」が消えてしまったのだろう。
まあ、言葉や呼び方は時代の流れのなかで淘汰され、新語造語がいつの間にか
定着してしまう例は珍しくないわけだが・・・・・・・。






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